Efron と google のページランク

スタンフォード大に Brad Efron という統計学者がいる。
http://www-stat.stanford.edu/~brad/
データからのリサンプリングに基づく検定法の開発で有名となった大御所だが、最近は多重検定関連であいかわらず良い仕事をたくさんしている。
彼のシンプルな論文リストページには
http://www-stat.stanford.edu/~brad/papers/
ここ数年のあいだ一年あたり数本の論文がPDFで掲載されている。


同業者がこのリストを見るとぎょっとするポイントがある。
リストに掲載されている論文のどれもが査読付き論文誌には掲載されていないのだ。
たぶん投稿もしていないのだろう。


功成り名を遂げた学者がなおも研究を続けていくとき、
査読を経ることで研究論文のクォリティに関する信頼を保証しよう
などというのは面倒で時間のかかるばかりの無駄なプロセスだ
とでも考えているのかもしれない。


彼のページは超専門的な内容であるわりに google pagerank 6
と高い値を誇っており、インターネット上でのリンク構造から
強くRespectされていることがわかる。
論文誌から出版されていない、という理由で無視されることはないのだろう。


ちなみに、僕のページの page rank は英語ページが 4、日本語ページが3、ブログが2
同僚の助教と準教授たちの page rank もそろって 4
教授のページは素っ気ないものだが pagerank は 5
研究室のトップページも pagerank 5
大学の英語ページは pagerank 6

以上のことと比較すると Efron 素っ気ない論文リストページの重要度の高さがわかるというものだ。

とはいえ、pagerankを気にしてウェブページのプレゼンを考えるのも本質を外している気がする。
僕ら若造はともかく単純に、良い仕事をして良い論文を書いて良い論文誌に載せてもらうことだけ考えよう。


(追加)
ウィキペディアに彼の項があった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Bradley_Efron