バブルマップ

「自分がするべき仕事のリストを、紙に書き出しておく」
というのは GTD (Getting Things Done) の基本です。
身の回りで忙しく多くの仕事をかかえながらも物事をうまく片付けている人は、みな当たり前のこととして「仕事のリスト」を作っています。そうでない人は、結局のところ「仕事のリスト」をきちんと作っていない。どうも、僕の見るところそれだけのことです。


仕事リストをつくるべし、というその心は、
するべき仕事を
「カタチの無い暗雲のような重荷」としてとらえることを止めて、
「カタチのあるモノ」としてとらえられる
ようにすることです。

さらにその心を原理として書くなら、

  • カタチのあるモノとして目の前にあれば、それらの複雑な関係性も含めて一覧できるということ
  • 関係性を一覧できれば、それらを制御することも可能になるということ

というところでしょう。


「カタチの無い暗雲のような重荷」であれば、ただただ「ずっしりと肩の上に乗せ」て歩いてゆくしかなくなります。それが人生だっていう人は多いかもしれない。


「カタチのあるオブジェクト」ならば「目の前に置いて一覧」(観測)したうえで「並べ替えたり分類したり人に分け与えたり」(制御)することができ、
制御できるものならばあまり重荷と感じなくてもよくなります。
また、そのオブジェクトを心の中で金貨のようにゲットしてうれしいものとして色づけし、
タスクが増えること、それを果たすことと、脳の正の報酬系とを結びつけてやることが
できれば、モチベーションが自然に変わります。


GTDの第二の基本は、仕事がひとつ片付くたびに「リスト」上の記述をひとつずつ消すことです。
ことさらに「金貨」を意識せずとも、リスト上のタスクをひとつずつ消し
リストが完全に消えることが喜びになってくるようです。
これも、やってる人はそれが当たり前で特別のことではないと思ってやっている。やっていない人は、ただやっていないで、結果として「仕事のモチベーション」およびその「結果としての仕事量」の差になって現れているようです。


以上、GTDの基本2原理:

  • タスクの可視化
  • タスクの正報酬化(タスクが増えること、タスクを果たすことの両方について)

を満たしさえすれば、実際の方法は何でもよいのですが
結局「紙の上にリストを書いて、それを横線で消してゆく」というシンプルな方法が周りではうまくいっているようです。

実は、GTDにはもうひとつ「週例レビュー」(毎週定期的に時間をとってタスクリストを見直して漏れがないようにメンテナンスする)という、僕のまわりであんまりやられていない重要なコツがあるのですが、とりあえず今のところ無視。でもたぶんかなり重要なので僕自身がもうちょっときちんと経験を積んでから書きたいと思ってます。


ところで、こんなことを今さら書く気になったのは、
するべきことリストの上手な書き方「バブルマップ」というものを見つけたからです。

このアイディアは簡単で、

リストの中でとくに面倒で「いやーな感じがする」ものを、
その度合いに応じた大きさのバブル(円形)で囲む

というだけのものです。
シンプルですが、上に書いたリストの効果(仕事の可視化・正報酬化)を大きく強化するものなっています。

具体的には、
「いや〜な感じ」の大きさを可視化することで、タスクリスト全体の中での比重のかけ方を制御しやすくなりそうです。たとえばそのタスク自体を見直して分割したくなるとか。
また「いや〜な感じ」のするタスクを大きく書くことによって、それを消す快感がおおきくなる効果も期待でき、それを期待することで大タスクに向かう勇気が出そう。


興味をお持ちの方は、ぜひ原典ページにもあたってみるといいでしょう。手書きバブルマップの実例もあって雰囲気がわかります。
http://www.ideaxidea.com/archives/2005/10/_todo.html