紙copi にファイルリンクと見出しリンクの機能がついて興奮

紙copi」というソフトウェアがあります。
http://www.kamilabo.jp/

僕はもう5年以上も前からのヘビーユーザーで、
Windows 上での仕事で重宝に使うとともに、
まわりの人にも強く強くお勧めしていました。


機能としては要するに「メモ帳+クリップ帳」であって、

  • 思い付いたことをささっと書く
  • ウェブ上で見つけたものをささっとコピーして取り込む

というのが主な目的で、
僕は研究や生活上の日記を書いたり、論文の下書きをしたりなど、
ありとあらゆる文章を「紙copi」のうえでささっと書いておいて
ある程度の完成度にしてから TeX だの Word だのに移して細かい編集を行っています。
ちなみに、この blog への書き込みも紙copi で書いてからコピペしてます。


この「ささっと」という形容詞で書き表される機能性というか快適性というか
そういうところに開発者の心が砕かれているところが紙copiの特長で、

  • テキストファイルを作成するのに「ディレクトリを指定してファイル名をつけて保存する」という手間が必要ない
  • 作られたテキストが勝手に時系列順に並んでくれる
  • ならんだテキストをぺらぺらとめくって見ることができる

などなど、
紙のノートに近い感覚を電子ノートで実現する
というのがこのソフトのメインとなるコンセプトです。(僕の知る限り)
作者が高校生のころに、彼の父親(必ずしもコンピュータに堪能ではない)のために作ってあげたものがもとになっているそうです。


当初はフリーで公開されていたのですが、
僕は有料化した瞬間に喜んで金も払いました。(正確にはフリーバージョンの「紙」と有料バージョンの「紙copi」に分かれた。)
またこのソフトが出てきた初期のころから、
不具合の報告をしてみたり、新機能の要望を出してみたりなど
かなり積極的に関わってきました。


で、今回 (いま調べたところ前回だったらしい。知らなかった。。。) のバージョンアップでついた
「ファイルリンク機能」「見出しリンク機能」の話ですが、
これは

という機能です。

何故こんなに興奮しているかと言うと、これは何年も以前に僕が要望した機能そのものなのです。
仕事日誌の中に、関連するファイルの情報を書き込んでみたり
やるべきことリストやそれに関するコメントのなかに、作業対象のファイルをリンクすることができれば便利だと思いませんか。


当然ながらテキスト間をリンクで繋ぐハイパーリンクとかハイパーテキストというコンセプトは ウェブが始まったその瞬間からあるのですが、それではダメなのです。<A HREF=”HOGE”>FUGA</A> のような面倒なタグを使って「リンクを貼る」という作業をいちいち意識しなきゃならないようなのはメモ用途では使えません。同様にマウスでクリックしてボックスが出てきてボックスの中にファイル名を入れる、とかそんなのもあまりに面倒。メモをあとで読み返すときにも、ハイパーテキストを読もうと思えば html を開くのに数百ミリ秒の遅延が生じます。これがもう僕には気に入らない。メモは一瞬が命。ものを書くときには書こうとする内容以外の雑念をカケラも入れたくありません。そのためには、シンプルテキストで書きたい。「紙」を使っている最大の理由は、シンプルテキストでささっと書いた内容が、保存や保存場所をいちいち意識しないまま適切な場所に保存され、整理されてくれるからなのです。


実は数年前に「紙」への要望を受け付ける電子掲示板上で開発者の方とこの件で軽い議論になりました。そのころは「紙」に html 編集機能 (これもなかなかシンプルでよい) がついたところで、そのせいだったと思いますが、開発者の方はそういうリンク機能は html でできるじゃないか、という意見でした。それでは「ささっと書けない」と、僕は強硬に「シンプルテキストでのリンクが欲しい」とだだをこねたのでした。僕の記憶では「開発者:考えてみます。」「僕:よろしくお願いします。」という、よくある結末でした。


メモに走り書きする感覚で「ささっと」書けるのが「紙copi」の真髄でした。
今回加わった二種類のリンク機能は、そのコンセプトを守り切っています。
正直な感想として、僕が当時望み提案したアイディアのふたまわりほど下をゆくシンプルさ (←最上級の誉め言葉です) に仕上がっています。
一見簡単そうに見えるかもしれませんが、ユーザーにとってシンプルな機能を提供するために、開発側でかなり繊細な心遺いをし手間をかけたものだと思われます。 (僕自身もいちおうプログラミング技術を飯の種にしている者たちのはしくれなのでそういうのは分かるつもり)


このバージョンアップだけについて、追加料金を寄付してもいいぐらいの気持ちなのですが、その気持を文章にして、こうして宣伝用に載せてみることにします。
サンキューダンケ。せいぜいしっかり使っていい仕事しますヨ。