4月の風物詩

ちょいとおそとに出かければ
みちばたに咲く桜花


あたたかな風 吸い込めば
ゆったりたれる水の鼻


学生宿舎のまわりには
新入生の家族たち


メールボックスひらいたら
ゆくひとくるひとのこるひと


パワーポイントのファイル開いて
紹介資料を切っては貼って


部屋の扉を開いては
よそゆきの顔ごあいさつ


そういうのが4月。


何ごとも蓋を開けねば分からない。
そのパンドラの箱の蓋がぱっかりと開くのが4月。
4月を目前にして箱の中の怪しい気配にやきもきする3月後半っていうのは
いつもあまり好きではなかったが、
それでも箱が開いてしまえばもう全ては明らかなので、
ただバシバシと対処して走りまわるのが4月。
走りまわるのに好きも嫌いもなく、充実感もストレスも感じる暇はない。


じっと身を潜めてたくわえてきた何かを信じて、
ただただ表に出してゆけばいいのが4月。
収穫の秋まで覚悟決めて走ろう。
その道程を確かに意識し始めるのが4月。


4月が始まってしまえば、そういう意識を意識することもなくなってしまうので、
今のうちにこうしてフェーズの確認をしてみているのだけども、
一年でいうところの4月は人生でいうところの思春期にあたるのかな。
迷い揺れながらもオモテに出て、恋をしましょうか。