ライフハックスは誰のため?

幸せは歩いてこないが、歩いていって外を探しても落ちているようなものではない。
目の前のゴミを持っていってゴミ箱に入れるとか、
書類をひとたばあるべき場所に整理するとか、
具体的に目の前のものごとを見て、何かを思って、手を動かすことの結果として
その場で得られるものだと思う。
可愛いマスコットを机の前に置くとか、観葉植物を置くとか、
それによって自分と身の回りがどのように変化するか?
その集積が文化であり、
オリジナルなものが出てくればイノベーションであり、
それを意識的に行い他人を巻き込んでゆくならそれはアートのさきがけでもある。

>>そう考えてみると、「ライフハックス」とは新しい方法やツールを導入することのみならず、自分がそれをどのように感じるかまで検証しないと、本当の意味で「ライフハックス」とはなり得ないことがわかる。(『ライフハックス─鮮やかな仕事術』佐々木 正悟 より)<<

上はシゴタノ!からの孫引きだけども、この文を読んではじめて「ライフハック」という言葉の意味を自分のものとしたような気がする。冒頭にアートだのイノベーションだのと書いたが、僕がそれに似た自己満足系(当然良い意味で)の楽しみをライフハックに感じていたことを今はっきりと意識したのだ。以後、「僕はライフハックが趣味です」と自己紹介することにしよう。(さいきんここに書いていること、ほとんどがそれ関連だもんね。)


さて最近になって、そうした趣味の一環としてGTD のノウハウを身の回りの学生にも広め始めた。釣りバカ日誌で浜ちゃんに上司の佐々木さんが釣りを教えたようなものだ。
まず最低限として

  • 「タスクリスト作成」:ともかく紙の上に全ての気掛り事項を書きつけること

ということで A3 の大きな紙に書いてもらう。このとき

  • 「アクションリストの原則」:タスクリストは行動のリストであって成果のリストではない。ものごとは行動予定の形として書くこと

を意識してもらう。
次にバブルマップ (先日紹介しましたね)を重ねてもらう。

  • 「バブル発見作業」: 各事項のうち嫌なものを○で囲み、その嫌さ加減を○の大きさで表現する

「嫌だな」と思うネガティブ感情のトリガーは抑圧されて無意識下されやすい。それを目に見える形にしてまな板の上に載せることができれば、もうそれでほとんど勝利なのだ。あとは包丁を入れて料理するだけ。

  • 「バブル爆破作業」:大きな○のついた事項を、「嫌さ度合」の少ない淡々とした(もしくは嬉々とした)対処行動のリストに分割する

この段階に来ると、空気の色が変わってくる。高く聳える壁のように感じていた課題に階段がついたように感じれば完成。

  • 「What to do next? の原則」: 今やるべきことが分かっていて、迷いがなければオーケー。迷いがあるならばタスクリストを修正せよ。


フォローアップがどこまでできるかが次の鍵になるのだろうと思われるのだけれども、ここまでできれば何かにつまづいたときに、何につまづいたのかがただちに明らかに分かる (はず) なのだ。不謹慎ながら、わくわくしながら、誰かがつまづくのを待っているところだ。