ひなたぼっこのトカゲ

今日、おひるごはんを学食で食べて、それから校舎に戻ろうとあるいてたときの話ね。
足元にトカゲがいてさ、
落ち葉みたいに茶色で乾いた感じの色で、
カナヘビよりはほんのすこし小さいかわいい感じのやつ。
あやうく踏んづけてしまいそうになったところを、
とっさに足の踏み場をおっととって変えて、大丈夫だった。
いわゆる、惻隠の情とか、慈悲の心とかいうやつね。
違うかも?まぁ理由はいいさ。


僕もこう見えて、これまで生きてきて悪いことやらないでもなかったし
これから悪いことしないわけにもいかないだろうし、
まぁ死後に天国にいくか地獄にいくかは分からんわけよ。
でももし仮に地獄に行ったとしてさ、
お釈迦さまがカンダタ向けに蜘蛛の糸たらしてくれたみたいに
僕のためにトカゲの尻尾たらしてくれるかも、っていう保険ができたかなって思ったのさ。
でもうしろから罪人仲間がのぼってきたら、ヤメロヨー、トカゲの尻尾だけに切れちまうー、ってなるだろうなーって、これが今日の話のオチね。